2013年11月27日(水) 記事No.362
玄関が2階にある坂道の家新築工事

場所 愛媛県新居浜市

設計・監理 近藤建築設計事務所

施工 株式会社 白石工務店

概要

木造2階建て 延べ面積119.47㎡

屋根 カラーガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き

外壁 小波カラーガルバリウム鋼板横張り 神島サイディングt=14ウレタン塗装 コンクリート打ち放しASガード吹付 一部杉板縦張りキシラデコール塗り

住宅部内装 

床 ダイケンカラーフロアー

壁、天井 クロス貼り

木部塗装 プラネットカラー


店舗部内装

床 モルタル鏝押え

腰 杉板プラネットカラー塗り

壁 クロス貼り ステンレス張り

木部塗装 プラネットカラー塗り

祭り前に完成した新築工事です。
建築基準法上は新築ですが、実際は古い家を壊しての建替え工事です。

西側の前面道路は坂道になっており敷地の北と南では80㎝の違いがあります。
さらに敷地は道路より2m~3m低い位置にあります。
東側には軽トラックが1台やっと通れるくらいの1.6mほどの農道があり、人の出入りができますが、ほとんどは2階から西側道路へ出入りをしていました。

南から撮影

東側農道 こちらは西側道路とは逆の勾配です

東側農道


トラックが停まっているのは西側道路の方で土地の段差は石積みになっています。
設計に入る前にスウェーデン式サウンディングで地盤調査を行いましたが、より深い地盤強度を確認するために古い家を解体しないと出来なかったラムサウンディング調査をしています。

ラムサウンディング


ラムサウンディング地盤調査により支持地盤は6m下にあることが確認されました。
鉄筋コンクリート擁壁と建物の基礎の下に鋼管杭を埋め込んでいます。

鋼管杭打ち

杭打ちとは言いますが、打設ではなく回転させて支持地盤まで埋め込んでいます。

鋼管杭打ち2

敷地の向こうが北で手前が南なのですが、南と北に庭があります。
古い家の時からあったのですが、北、南共に家から1mくらいしか空いていませんでしたし、新しい家からもそれぞれ1mくらいしか空きません。
一つの課題は両方の庭を残したいとの建築主さんの希望でした。
それほど広くない2~3m低い敷地へ重機を搬入するためにどちらか一方の庭を潰す覚悟だけはしておいて下さいと言っていました。


最初に戻りますが、段差と坂道に接した敷地に建物を建てるのに初めに行わなければならないのは土地の平面測量と高さの測量です。
光波測定器で平面測量をして、レベルで各場所の高さを測量します。
その測量図を元にして基本設計に入ります。
基本設計が終わると実施設計に入りますが、普通の段差や勾配のない家でも設計図から建物の出来上がりを想像するのは難しいのです。
まして敷地に段差があって道路が坂道ならなおさら建築主さんは想像ができません。

そこで理解していただくために模型を作りました。
西側道路から見れば、どうみても平屋です。

模型西面

実はこんなふうになっています。
道路に面した敷地を道路と同じ高さまで盛り土して建物の1階部分を鉄筋コンクリート造の壁にして土圧を受けています。
建物が途切れたところは鉄筋コンクリートの擁壁を作りました。

模型南東面

完成写真です。
模型と同じでしょ。

西面外観

こちらは上の模型と同じ南から見た1階部分の鉄筋コンクリートの上に木造平屋を建て、右手のバルコニーがある部分は木造2階建てで、構造体を分けてつないでいるので内部は一体になっています。
上下、左右の鉄筋コンクリートと木造の異種構造体の建物です。
擁壁を含めると4つの構造計算書の作成が必要でした。

南面外観

こちらは北西面の外観です。
1階が鉄筋コンクリート造で2階が木造です。
コンクリート部分は打ち放しに防水剤のASガードを吹付けてコンクリートの美しさを表しにしました。
2階部分は西面にはアイボリー色、北と南面には、こげ茶色の小波カラーガルバリウム鋼板の1枚板を横張りにしました。
屋根と外壁に鋼板を張っているので、外断熱はかかせません。
屋根は30mmの構造用合板の上に50mmのネオマフォーム、壁は12mmの構造用合板の上に30mmのネオマフォームの外断熱仕様で屋根には換気棟を付けて壁の通気層から空気が抜けるようになっています。
外壁の鉄筋コンクリート部分のみ内側に断熱材を入れていますが居室には面していません。

北西面外観

2階店舗はお好み焼き屋さんで以前より大部縮小してテーブルを2つ置く予定です。
テーブルは前の店から使っていたものを使うので、違和感がないように古びた感じのメラミン合板を使っています。
また、床はモルタル鏝押えになっており、いつも来店していたお客さんが来やすいようにとの希望でした。
店の下は通路になっており外気にさらされるので床のコンクリートには断熱材を張り付けています。

店舗

外部の明かり採りと排煙窓を兼ねて東面に高窓を付けました。
上の模型で5つの内右から4つの高窓から明かりが採れます。
こちらの窓は外からの掃除が困難なために光触媒を塗装して、汚れが雨に流される仕様にしています。

店舗吹抜

前の店で使っていたこちらの古いテーブルを置きます。

テーブル

この鉄板カウンターから鉄板だけを取り出して新しいカウンターへ使いました。(上内部写真)

鉄板カウンター

1階コンクリートで囲まれた通路部分です。
コンクリート面が表れてていないアイボリー色の部分は断熱材の上にペンキ塗りです。

通路

こちらは店と住宅の緩和ホールで、店のお客さんがトイレに行ったり、リビングと和室の通路であったりリビングと和室からトイレに行くためのホールでもあります。
初めて訪れる人にとっては迷路?の存在です。
外部に面していないため5つ目の高窓からの明かりがあります。

ホール

こちらはリビングです。
南向きの窓からは多喜浜駅と山の風景が見えます。
2階なのでバルコニーが付いているのですが、まるで1階のデッキのような錯覚に陥ります。

リビング1

こちらもリビングで反対面です。

リビング2

2階の和室です。

和室

依頼を受けてから約1年半かかって完成した家ですが、このような段差や坂があるような制約のある敷地に建物を計画できたことは設計者冥利につきます。
難しいほどわくわくさせてくれます。
建設業者の選定では5社の見積もり合わせで、最終的には建築主様が決定しました。
どちらに決まっても間違いのない建設業者さんを選びましたが、結果として北と南の庭を残したままで建築が出来たのは、この工事を請け負った白石工務店の監督である大西氏の尽力によるところと思います。
また、工事期間中毎日冷たいコーヒーやジュースを現場に届けてくれた建築主様のご厚意に感謝いたします。
最近は家を買うというふうに言う人が多くなりましたが、やはりみんなで一緒に作っていくものだと思います。








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作品紹介(住宅) |  トラックバック(0) |  コメント(2) |  記事を編集 | 

2013年12月11日(水) がんば!
やっと真面目にブログアップしたんやね。
遅い!

ええ仕事しとんやけん、ちゃんと知ってもらわにゃ。

アクセスがちびっとでも増えますように、応援団長が旗ふっときましたから~
チュー | URL | コメントを編集 | 
2013年12月11日(水) Re: がんば!
ありがとう
メダカの兄弟 | URL | コメントを編集 | 

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